人間失格を読んだ感想。 この本は私たちの救済の書だ。
この小説は私達を救ってくれる。
人生いろいろ。
楽しいこともあれば辛いこともある。
苦しむとき、人は救いを求める。
『人間失格』は人間の救済の書だ。
この物語は、太宰治が主人公、大庭葉蔵に自分を投影し、生きる苦しみを描いた作品である。
ある女性と心中を遂げようとするも失敗。自分だけが生き残る。
ある女性のヒモのような生活を送り、アルコール漬けとなる。
挙げ句の果てには、薬物中毒者。
どれも事実だけをみるば、「クズ」だ。
しかし、クズも普通の人も苦しみ方に違いはあれど、
苦しむことは同じだ。苦しむ理由もまた同じである。
主人公葉蔵は、少年時代、父にお土産は何が欲しいかと聞かれ、答えられない。
イヤなものイヤと言えず、好きなものを好きと言えない。
周りにあわせるしかない。
このような性格により、彼は誰よりも苦しみ続けた。
どんな人間も苦しんでいるだ。
それが分かるだけでどれほど救われるだろうか。
人は、辛いことがあったとき、自分と同じように苦しんでる人がいると気持ちが軽くなる。
『人間失格』には、人々の苦しみの物語が詰め込まれている。だから、この本を読むと救われるのだ。